2025年7月31日までの株価・為替アノマリー総点検:関税リスクと季節性の狭間で

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背景:不確実性の霧が晴れない夏相場

2025年前半の金融市場は、まさに「乱高下の展開」 であった。4月初旬、トランプ政権による厳格な関税措置の発表が引き金となり、市場は急落に見舞われた。しかしその後、史上最速とも言えるペースで回復し、S&P 500指数は6月下旬から7月にかけて史上最高値を更新した 。この上昇の背景には、経済が想定以上に持ちこたえていることへの安堵感と、最終的には貿易交渉が妥結するだろうという「貿易楽観論」 があった。  

しかし、この株価上昇の足元は決して盤石ではない。一部の専門家からは「より質の低い、投機的なラリー」 との指摘も出ている。その根拠は、この上昇が主に個人投資家と企業の自社株買いによって牽引されており、市場の動向をより慎重に判断する機関投資家は依然として及び腰であるという点だ。実際、機関投資家の株式への資金配分(エクイティ・ポジショニング)は、4月の急落以前の2月の水準を大きく下回ったままである. この事実は、市場の深層部に根強い確信が欠けており、外部からの衝撃に対して脆弱であることを示唆している。  

機関投資家が慎重姿勢を崩さない最大の理由は、依然として解決の目処が立たない米国の通商政策である。懲罰的な輸入関税の一時停止措置は期限切れを迎え、新たに2025年8月1日という最終期限が設定された 。すでにホワイトハウスは日本に対する  

25%の関税を含む、14カ国への新税率を明記した書簡を公表しており、このイベントリスクが7月の市場見通しに重くのしかかっている 。  

マクロ経済の状況もまだら模様だ。米国経済は底堅さを見せる一方で、減速の兆候も現れている。ISM製造業景況指数は依然として低調であり 、6月の雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を上回る14.7万人増と表面上は力強かったものの、その内訳を見ると民間部門の伸びは鈍化し、労働参加率の低下という懸念材料も露呈した 。インフレ期待はピークからやや落ち着いたものの、関税の影響により依然として高止まりしている 。一方、日本ではインフレ率が鈍化傾向にあるものの、食料品やエネルギーを除くコアコアCPIは加速しており 、力強い個人消費を伴った経済の好循環には至っていない 。日米のこうした経済状況の相違は、両国の中央銀行の金融政策の方向性にも乖離を生じさせている。  

🚀Insight 現在の株価最高値は、いわば砂上の楼閣かもしれない。S&P 500指数の価格動向と、機関投資家の資金配分の間に見られるこの大きな乖離は、市場の健全性に対する重要な警告サインである。このラリーは、ファンダメンタルズを深く分析する長期投資家(いわゆる「スマートマネー」)の確信に裏打ちされたものではなく、短期的なセンチメントに左右されやすい資金によって支えられている。これは、関税交渉の決裂といったネガティブな触媒が一つでも投下されれば、市場が急反転するリスクが高いことを意味する。現在の市場は、衝撃を吸収するための機関投資家という「バラスト(重し)」を欠いた、不安定な航海の途上にあると言えよう。

主要アノマリー:7月の経験則をデータで検証

「アノマリー」とは、理論的根拠は必ずしも明確ではないが、経験的に観測される市場の規則的なパターンのことである。7月は特に有名なアノマリーが複数存在するが、2025年の特殊な環境下でそれらが通用するのか、データを基に検証する。

株式市場の季節性

米国市場:「サマーラリー」または「7月効果」

歴史的に7月は米国株にとって非常に強い月として知られている。

  • 発生時期: 7月全体、特に月の前半が強い傾向 。  
  • 発生確率: S&P 500指数は、過去10年間(2015年~2024年)において、100%の確率(10年中10年)で7月に上昇している 。より長期の1950年以降で見るとその確率は   56%(68年中38年)に低下するが、1991年以降では65%(34年中22年)と依然として高い勝率を誇る 。特に「独立記念日(7月4日)効果」として、休日前後の10日間では1日あたりの平均リターンが**+0.087%**と、全営業日の平均である+0.036%を大幅に上回るデータもある 。  
  • 平均リターン: 過去10年間のS&P 500指数の7月の平均リターンは**+3.4%に達し、年間で2番目にパフォーマンスの良い月となっている 。1950年以降の長期的な中央値リターンは、より穏やかな   +1.14%**である 。  

日本市場:「夏枯れ相場」

米国とは対照的に、日本の株式市場では7月はパフォーマンスが低下する「夏枯れ相場」の始まりとされることが多い。

  • 発生時期: 7月から8月にかけて 。  
  • 発生確率: ある過去の分析によれば、日経平均株価が7月に上昇する確率は**44%**と、年間で最も低い月の一つとされている 。ただし、2023年、2024年と2年連続で日経平均が7月に高値をつけているという事実もあり、このアノマリーが近年変化している可能性も指摘されている。このため、今年はむしろ利益確定売りの意識が高まる可能性もある 。  
  • 平均リターン: 歴史的にはマイナスリターン、もしくは市場平均を下回るパフォーマンスになる傾向がある 。  

為替市場の季節性

ドル円(USD/JPY):相反する二つのシナリオ

7月のドル円相場の季節性については、明確なコンセンサスはなく、相反する二つの見方が存在する。

  • シナリオ1(円安): 米国株のサマーラリーに代表されるように、市場がリスクオンムードになると、安全資産である円が売られ、ドル高・円安が進みやすい 。また、日本の個人投資家が夏の旅行シーズンに向けて外貨を購入する実需の円売りも一因とされる 。  
  • シナリオ2(円高): 7月は円にとって「季節的に強い月」であるという見方も根強い。過去のデータでは7月に円高が進行する傾向が確認されており 、これは8月の米国債の利払いに関連したドル売り・円買いのフローが7月後半から始まることも影響しているとされる 。2022年7月には約10円もの急激な円高が進行した実績もある 。  
  • 発生時期: 7月 。  
  • 発生確率: 明確な数値はないが、注目すべき傾向として認識されている 。  
  • 平均リターン: 定量的なデータはないが、2022年のように大きな変動を伴うことがある 。  

表1:主要な7月の市場アノマリー概要

アノマリー名対象市場・資産発生時期歴史的な発生確率歴史的な平均リターン2025年の状況・注意点
サマーラリー/7月効果S&P 5007月56%~100% (期間による)+1.1% ~ +3.4%高リスク: 強力な関税リスクと脆弱なラリー構造が、この歴史的に強いパターンを覆す可能性が十分にある。
夏枯れ相場日経平均株価7月~8月上昇確率 約44%マイナス/アンダーパフォーム補強: 米国による対日25%関税の脅威が、この季節的な弱さを直接的に後押しする。
リスクオンの円安USD/JPY7月米国株の強さに連動円安方向挑戦: 関税リスクが市場のリスクオンセンチメントを冷却させ、このアノマリーの主たる駆動力を無効化する可能性がある。
構造的な円高USD/JPY7月中程度円高方向補強の可能性: 関税が世界的なリスクオフを引き起こした場合、円の安全資産としての地位がこの季節的傾向を増幅させる可能性がある。

🚀Insight 2025年の7月は、過去の経験則が通用しない「アノマリーの衝突」が起きる特異な月である。一方では米国株の歴史的に強力な追い風(サマーラリー)が吹き、もう一方では極めて強力なイベントドリブンの逆風(関税)が吹き荒れている。歴史的なデータは、あくまで「平均的」な状況下でのパターンに過ぎない。2025年の市場環境は、その平均から著しく逸脱している。したがって、季節性アノマリーへの過信は禁物であり、関税というイベントリスクこそが今月の市場を支配する最も重要な要因となるだろう。アノマリーが機能しない確率は、過去のデータが示唆するよりも格段に高いと考えるべきである。

リスクファクター:アノマリーを覆す嵐の予兆

歴史的なアノマリーを無効化しうる、3つの主要なイベントリスクを深掘りする。これらのリスクこそが、7月の投資判断における最重要変数となる。

1. 米国通商政策:8月1日の「Xデー」

最大の不確実性要因は、トランプ政権が設定した8月1日の関税発動期限である 。すでに日本(25%)、韓国(25%)、インドネシア(32%)など14カ国に対し、具体的な税率を明記した書簡が送付されている 。さらに、銅に対して50%、医薬品には最大200%という追加関税の可能性も示唆されており、その影響は計り知れない 。  

これらの関税措置は、単なる脅しではない。ある分析によれば、これらの関税が発動された場合、米国の実効関税率は平均17.6%に達し、これは1934年以来の最高水準となる 。経済への影響も甚大で、2025年の米国の実質GDP成長率を0.7パーセントポイント押し下げ、失業率を0.4パーセントポイント上昇させ、物価上昇を通じて一世帯あたり平均2,300ドルの負担増につながると試算されている 。世界のGDP成長も大幅に減速することが予測されている 。  

市場はこれまで、最終的には交渉が妥結するという期待から「関税への恐怖から安堵の買いへ」とシフトしてきたが 、この楽観論は極めて脆い。投資家の間では「トランプは結局折れる(Trump Always Chickens Out)」という見方もあるが 、今回は状況が異なるとのリスクも十分に認識する必要がある。特に日本にとって25%の関税は、自動車や電子部品といった主要な輸出産業への直接的な打撃となり、日経平均株価の強力な下押し圧力となるだけでなく、日本銀行の金融政策運営を一層複雑にする 。  

2. 第2四半期決算:期待と不安の交錯

7月中旬から本格化する第2四半期決算発表は、市場のセンチメントを左右する第二の重要ファクターである。ここには、アナリストの不安と企業の期待が交錯する複雑な構造が存在する。

  • アナリストの「不安」: S&P 500企業の第2四半期の利益成長率に関するコンセンサス予想は、前年同期比で**+5%から+6%**程度と、第1四半期の約14%から大幅に減速する見込みである 。アナリストは第2四半期中に、インフレと関税への懸念から、過去の平均を上回るペースでEPS(一株あたり利益)予想を引き下げた。特にエネルギーセクター(-25%成長予想)や素材セクターが大幅な下方修正を主導している 。  
  • 企業の「期待」: このアナリストの悲観的な見方とは対照的に、企業側からは過去の平均を上回る数のポジティブな業績ガイダンスが発表されている。51社が前向きな見通しを示しており、これは5年平均の42社、10年平均の39社を大きく上回る 。  
  • 市場の二極化: この期待と不安の乖離の謎を解く鍵は、市場の二極化にある。ポジティブなガイダンスを発表した51社のうち、実に29社が情報技術(IT)セクターに集中している 。市場は、AI関連の需要に牽引されるテクノロジーセクター(+18%成長予想)とコミュニケーション・サービスセクター(+32%成長予想)が全体を牽引する一方で、他の多くのセクターが苦戦するという構図が鮮明になっている 。もし「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる巨大テック企業を除外すれば、S&P 500の残りの企業の利益成長率はわずか**+3.3%**に過ぎない 。  

今期の決算シーズンで最も重要なのは、発表される第2四半期の実績そのものよりも、企業経営陣が語る**将来の業績見通し(フォワードガイダンス)**である。特に関税が今後の収益に与える影響についてのコメントは、市場全体の方向性を決定づける可能性がある 。  

表2:2025年第2四半期 S&P 500セクター別業績見通し

GICSセクターQ2 2025 EPS成長率予想 (前年同期比)主な要因と関税感受性
コミュニケーション・サービス+32%AI駆動の広告収入、ストリーミング事業の成長。直接的な関税感受性は低い。
情報技術+18%「マグニフィセント・セブン」効果、AI関連のハード・ソフト需要。サプライチェーン寸断のリスクはあるが、強い価格決定力を持つ。
金融+8.2%純金利マージンへの圧力を投資銀行業務が相殺。関税による景気減速に間接的に影響を受ける。
S&P 500 全体約 +5.8%IT・通信が牽引し、エネルギーが足を引っ張る構図。
エネルギー-25%前年比でのコモディティ価格下落。貿易戦争による世界経済減速に極めて敏感。
素材マイナス成長世界的な製造業の減速による需要減。関税と原材料コストに高い感受性を持つ。

3. 金融政策の不確実性

月の最終週には、**米連邦公開市場委員会(FOMC、7月29-30日)日本銀行金融政策決定会合(7月30-31日)**が相次いで開催されるという、異例のイベント集中期間を迎える 。これは、市場のボラティリティが最大化する可能性を秘めている。  

  • FRBの姿勢: 米連邦準備制度理事会(FRB)は現在、「様子見」の姿勢を明確にしている 。2024年に利下げを実施した後、政策金利は4.25-4.50%で据え置かれている 。6月のFOMC議事要旨では、関税がインフレに与える影響を見極めるために待つことが適切であるとのコンセンサスが示された 。CME FedWatchツールによると、市場が織り込む7月会合での   利上げ見送りの確率は90%を超えており、現状維持はほぼ確実視されている 。しかし、市場は依然として年内に2回の利下げを期待しており 、この期待を裏切るようなタカ派的なメッセージが出されれば、市場は動揺するだろう。  
  • 日銀の姿勢: 日本銀行もまた、政策金利を0.5%で据え置く慎重な姿勢を維持している 。その背景には、米国の通商政策を巡る極めて高い不確実性がある 。次回の会合で国債買い入れの減額計画が発表される見込みだが、市場のコンセンサスは、実質賃金のプラス転化を確認できる10月までは追加利上げはないというものだ 。サプライズ的な利上げは低確率ながら、実現した場合は市場に大きなインパクトを与えるリスクとして存在する。  

🚀Insight S&P 500全体の利益成長率という数字は、現在の市場の実態を覆い隠すベールとなっている。我々は今、単なる景気減速ではなく、「K字型」の業績相場に突入している。AIという強力な長期的成長トレンドに乗る一握りの巨大テック企業が驚異的な成長を続ける一方で、伝統的な景気サイクルや関税の影響を直接受けるその他大多数の企業は業績が伸び悩む、あるいは悪化するという二極化が進んでいる。この構造を理解せず、ただインデックスに連動するようなパッシブな投資戦略を取ることは、ますますリスクが高まっている。この「K字」の勝ち組と負け組を的確に見極める、アクティブなセクター選別、銘柄選別の重要性がこれまでになく高まっている。

投資戦略:アノマリーとリスクの最適活用法

これまでの分析を踏まえ、個人投資家や経営企画担当者が7月を乗り切るための具体的な投資戦略を提示する。

株式戦略

  • 基本シナリオ(慎重な楽観): 強弱入り混じるシグナルを考慮すると、株式への投資スタンスは中立、もしくはやや強気を維持しつつも、その中身は「質」と「耐性」を重視したものにすべきである。歴史的な7月の強さは微かな追い風にはなるが、それに全幅の信頼を置くのは危険すぎる。
    • 米国株式: 長期的な成長ドライバーを持ち、関税の影響を受けにくいセクターを選好する。具体的には、AI関連を中核とする情報技術セクターコミュニケーション・サービスセクターが挙げられる。同時に、歴史的に5月から10月の弱い時期にアウトパフォームする傾向があるヘルスケア生活必需品といったディフェンシブセクターもポートフォリオに組み込むことを検討したい 。一方で、関税の影響を直接受ける   素材資本財(工業)、世界経済の成長鈍化に敏感なエネルギーといった景気敏感セクターはアンダーウェイト(比率を低下)もしくは避けるべきだろう 。個別銘柄選定においては、健全な財務体質を持ち、アナリストの業績予想が引き上げられているような「質の高い」企業に焦点を当てるべきである 。  
    • 日本株式: アンダーウェイトもしくは中立のポジションを推奨する。「夏枯れ」という季節的な逆風と、25%という直接的な関税の脅威という二重苦に直面しているためだ 。唯一の上昇シナリオは、想定外の大幅な円安が進行し、   自動車セクターなどの輸出企業に追い風が吹くケースだが 、これはリスクの高い賭けと言える。  

為替戦略

  • 米ドル資産の為替ヘッジ: 米国株など、米ドル建て資産を相当額保有する日本の投資家にとって、7月のリスク・リワードは為替リスクをヘッジする方向に傾いている。
  • 論理的根拠: ドル円の先行きは二者択一の様相を呈している。日銀の慎重姿勢が円安を促す可能性がある一方で、関税問題が世界的なリスクオフ・ショックを引き起こせば、投資家の資金は安全資産である円に逃避し、急激な円高(ドル円の下落)を招く可能性が高い。ヘッジなしの場合、米国資産の価値が下落し、さらにドル円も下落するという二重の損失を被るリスクは看過できない。
  • 個人投資家向けの手法: 個人でもアクセス可能なヘッジ手法として、為替予約(将来の交換レートをあらかじめ固定する取引) や、保有する米ドル資産額と同等の   FX(外国為替証拠金取引)でドル売り・円買いのポジションを建てる方法がある 。ヘッジは円安による為替差益を享受する機会を失うが、円高による損失から資産を守るための保険として機能することを理解する必要がある。  

🚀Insight: 「バーベル戦略」と「クオリティ・モメンタム」 単純なリスクオン/リスクオフの二元論ではなく、より洗練された「バーベル戦略」が有効な局面かもしれない。バーベルの一方の端には、経済の不確実性を乗り越える力を持つ、AI関連などの質の高い長期的成長株を配置する 。もう一方の端には、ディフェンシブでキャッシュフローが潤沢な銘柄や、値動きの小さい銘柄で構成されるミニマム・ボラティリティ戦略を配置する 。この戦略の目的は、関税や景気減速の影響を最も受けやすい、脆弱な「市場の中間層(景気敏感株)」へのエクスポージャーを避けることにある。  

さらに、「クオリティ・モメンタム」という考え方も重要になる。現在の市場は、単に成長しているだけでなく、安定して好業績を出し、アナリストからの評価も高い企業を評価する傾向にある 。株価の勢い(モメンタム)と、健全な財務などの質(クオリティ)の両方の基準で銘柄をスクリーニングする戦略は、この二極化した市場を航海する上で有効な羅針盤となりうる 。  

まとめ:羅針盤なき航海の投資判断

2025年7月は、米国株のサマーラリーという歴史的な追い風と、8月1日の関税発動という現代的な逆風が正面から衝突する、稀に見る困難な投資環境を呈している。

本レポートの核心的な結論は、今月に限っては、米国の通商政策というイベントドリブン・リスクが、伝統的な季節性アノマリーを凌駕するということである。過去の経験則に頼った投資判断は、失敗につながる可能性が極めて高い。

したがって、投資家が取るべき最適な戦略は、受動的に相場の回復を期待することではなく、能動的にリスクを管理することである。具体的には、以下の3点が重要となる。

  1. インデックス投資からの脱却: 経済と企業業績の「K字型」の二極化を認識し、市場全体に連動する投資から、ターゲットを絞ったアプローチへと移行する。
  2. 質と耐性の重視: AIのような長期的成長セクターと、ディフェンシブセクターに焦点を当て、ポートフォリオの質と耐性を高める。
  3. 為替リスクの積極的な管理: ドル建て資産に対しては、リスクオフによる円高ショックの可能性を考慮し、為替ヘッジを重要なリスク管理ツールとして活用する。

7月31日までの市場の航路は、ワシントン発のヘッドラインと、企業経営陣が語る将来見通しによって刻一刻と変化するだろう。この不確実性の霧の中、機敏に、データを駆使し、そして何よりもダウンサイドリスクの管理を徹底する投資家こそが、この困難な航海を乗り切り、次の好機を掴むことができるだろう。

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